"塩の取り過ぎ"と"塩不足"
塩は体の中で重要な役割をします。もし塩を取らないでいると一週間もすれば死んでしまいます。頭痛やむくみ、睡眠障害、体が重い、だるい。などは”塩不足”から来る症状です。
水とともに老廃物を排出
塩をなめることにより体は水分を要求し大量の水分が体をめぐり、同時に老廃物を運び腎臓で水と一緒に排出されます。体がむくむのは老廃物がたまり水分調整ができないことを意味し腎臓機能の低下を意味します。適度な塩と水でろ過を促すことにより腎臓の働きも良くなっていきます。
恐ろしい減塩生活
ある日、真っ赤な顔をし、手足のむくみが異常に気になる方が薬草風呂に入りたいと来店されました。本人は至って正常のつもりのようでしたが、側から見れば何かおかしい。薬草風呂に入れて良いのか先生にお伺いすることにしました。
先生が本人を見て一言、「なんで塩を取らないの?」と。不思議に思いながら話を聞けば、病院から減塩指導を受け、今では塩を一切使わない料理を自分で作っていると料理自慢が炸裂。
先生の指導で島唐辛子(激辛)を刻み、フライパンで炒ってから粗塩を混ぜ、本人に舐めてもらいました。すると、「何も味がしない」と言うのです。(味覚障害)
その後、塩を取ってから入浴してもらうこととなりました。
糖尿病などで食事制限を受けている人の多くは手足が胴回りよりも太く、むくみが強い方が多く見られます。
減塩生活のリスク
塩の体内での役割は以下の通りです:
- 細胞の浸透圧を調整し、体内水分を保持
- 塩は神経伝達物質、塩がないと神経が伝わらない
- 消化酵素としての役割
塩不足は、吐き気、嘔吐、倦怠感、頭痛、脱力感などの症状が現れます。さらに深刻になると、意識障害、精神錯乱、昏睡状態に陥り、最悪の場合死に至ることもあります。塩は生きていくために必要不可欠な要素です。
塩不足の恐怖
塩を取りすぎると「高血圧」「腎臓病」「癌」の原因になると言われ、減塩が叫ばれていますが、果たして本当にそうなのでしょうか?
体内で塩に関わる臓器は「腎臓」です。腎臓は不要なものを排泄し、体液のイオン濃度を調整する役割を持っています。体液中のイオンには(Na+)、(HCO3−)、(K+)、(Ca2+)、(Mg2+)、(Cl−)などが含まれています。これは海水の組成と同じです。
この濃度を監視するのが腎臓の役割です。
塩の取り過ぎは腎臓悪化の原因と多くの医療機関から警告されますが、実は腎臓機能の低下によりイオン調整機能を失うことが高血圧や心臓病の原因と考えられます。つまり高血圧の原因は塩にあるのではなく、腎機能の低下にあるのです。
NaClだけではない海の塩
また、塩(NaCl)だけが話題にされますが、海水にはNaClだけではなく多くのイオンが存在しています。昭和になって"イオン交換膜"を使った製塩が主流となり、純度の高いNaClを安価に工業的に大量生産できるようになりました。その結果、市場には専売公社による安価な「食塩」が流通しました。
この頃より、食塩による高血圧などの健康被害が取り上げられるようになります。「食塩」は本来の海水成分のほとんどが除去されているのです。
食塩の専売制度が廃止されることで、塩による健康法が大ブームとなりました。
日本人には塩が足りない
- 塩が高血圧や腎臓病の直接の原因にはなり得ない
- 腎臓機能の低下が高血圧の原因
- 安価な「食塩」の大量生産により、「食塩」を用いた食品の大量生産、大量加工が進行
- 「食塩」の使い方も問題ではあるが、塩の過剰摂取以上に塩不足の方が致命的である