ストレスが病をつくる──
肝腎かなめ理論とホルモンループ
前回の記事では、
「病気は回復を強く願うほど重くなる」
──そんな逆説的な現象が、実は脳の仕組みとホルモンの働きから起きていることをお伝えしました。
言葉は、本来つながりを生み出すための“人類の武器”。
しかし、情報解釈のすれ違いやズレによって、それが逆にストレスと病の引き金になっていることを知りました。
そして今回は──
再び「肝腎かなめ理論」へと視点を戻してみたいと思います。
◆すべての悩みは「対人関係」
脳の仕組みを知ると、私たちの全ての悩みは「対人関係」に由来しているとわかります。
対人関係で日常的にストレスを溜め込む現代人は、
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常に「戦うか逃げるか」の状態(交感神経優位)
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会社でも家庭でも緊張をほぐす場がない
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呼吸も浅く、身体も心も硬直している
この結果、身体は常に緊張状態
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血圧・血糖・ホルモン調整がうまくいかず
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免疫は低下し、新たなウイルスへの抵抗力も弱まり
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血流障害が体のあちこちに現れてくる
これらはすべて、ストレスホルモンが「肝臓と腎臓」に悪影響を与えている状態です。

固まった体は、自力ではほぐせない
ストレスでこわばった心身は、
もはや「自分の力だけ」では癒すことができません。
◆ここで活用したいのがー薬草温熱療法ー
1.体を温め、血流を促し、
2.肝腎の機能を助けながら、
3.自然治癒力を引き出していく──
いわば、「強制的に回復スイッチ」を押ます。
◆ストレスループから抜け出すには「心理のケア」も必要
病気の出発点であるストレスは、日々の生活の中に、じわじわと積み重なっています。
だからこそ、身体へのアプローチに加えて、心理的アプローチも必要だと考えています。
ストレスは「集中力の副作用」
もともとストレスは、「集中」の産物です。
何かを成し遂げたいという思いが、思うように結果につながらないと、
集中がやがて“緊張”になり、それが“ストレス”へと変化していくのです。
◆ホルモンの3つのループ
① ホルモンの健全なループ
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「やりたい!」(ドーパミン)→
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集中!(ノルアドレナリン)→
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成功!やった!(エンドルフィン)→
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もっとやりたい!→好循環

② 不健全なループ
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「そもそもやりたいことがない」→
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集中しない/できない⇨「思考停止」→
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「とりあえずゲームでも…」→ドーパミンのダダ漏れ

③ ストレスループ(やらされ感)
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「やらなきゃ…、すべきだ」(義務感のドーパミン)→
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無理して集中(ノルアドレナリン)→
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結果は出るが満たされない(私はこれが欲しかったわけではない)→
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コルチゾール過剰分泌 → 疲労・不調・燃え尽き→ストレスの蓄積

資本主義社会の亡霊
資本主義社会とは、消費社会です。
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CMでは綺麗な女優が高級車で幸せな家庭を演出
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カードローンの広告では「借金=かっこいい」が刷り込まれる
結果、「車があれば幸せな家庭を築ける」と錯覚し、
借金して車を買い、共働きに、会話も減り、ストレスが溜まる。
手に入れたのは車ではなく、ローンと不安だった──
そんな話、実際によく聞きますよね。
このように、私たちは「かっこよさ」や「便利さ」の売られたイメージで
知らず知らずのうちに本当の欲望を見失っているのです。
◆「自分の欲望がわからない」現代人
毎日あふれる情報の中で、
「自分は何がしたいのか、何を求めているのか?」さえ、わからないのです。
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「本当は何をしたい?」
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「どう生きたい?」
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「何にワクワクする?」

この問いに、すぐ答えられる人はどれだけいるでしょうか?